(スマイスター)リノベーションのトラブル

リノベーションやリフォームはいざ始めるとなると大変ですが、物をカスタムする、改造してより良くしていくという楽しみもあり、お金のかかる大人の遊びとも言えます。
元からあるものを、自分の想像力を使って別のもの、新しいものに変えていく。

そこには、人類の進化にも通じた「工夫する」という、人間の本質に関わる素晴らしさを感じることができます。
元々ある物件にリノベーションを施して、自分の思い描いた家に作り直すことは、人間らしく創造性に溢れていて素晴らしいことです。

しかし家はDIYではできません。
ひとりでイメージ通りに作り直すことは建築士でもない限りできませんので、色々な人たちの手を借りる必要があります。
リノベーションには設計者や職人など多くの人たちが関わってくることになるのですが、その方たちと自分のイメージを共有して、同じ方向を向いてもらうことはとても大切なことと思います。

しかし、出来上がりが違う、説明した通りにできていないということは不幸にもよくあるそうで、完成イメージの共有がうまくいかなかった結果といえると思います。
これは、全く何も無い状態から目的物を作っていくという条件から生じてくる問題です。
様々な人間の能力やモチベーション、思惑が絡んでくることにより、こうしたトラブルは発生してきます。
リノベーションにまつわるトラブルは、人任せとなる細かい部分にも依頼者側の思い入れが詰まっているせいか、うまくいかなかった場合に感情的にもつれてしまうというケースも多く、民事裁判となることもあるようです。

リノベーションでのトラブル

リノベーションやリフォームで起こりがちなこういったトラブルには、発生源となるポイントがいくつかあるようです。
トラブル要因のパターンを知ることによって、これらのトラブル発生の防止に役立てていただければと思います。

要因のひとつとしてはまず曖昧な契約書の存在が挙げられます。
一般的に、新築と比べるとリノベーションやリフォームの工事費用はそれほど大きくはなりませんので、契約書の作成には費用をあまり捻出できません。
ですから契約書の内容としてはあまりきめ細かなものにならず、どうしても曖昧なものとなってしまいがちです。

こういった契約書の曖昧な部分を原因としてトラブルが発生してくるのです。
契約書においてトラブルが起きる点として、建材や設備機器の指定がなされていないことが挙げられます。
建材や設備機器の指定が無いと、工事業者側はできる限り安い廉価品で済まそうとする傾向にあります。
一方の依頼者側は、自分の思い通りの建材や設備機器を使ってもらえると思っていますので、この見解の違いから後々問題として発覚してしまいます。

また、工事代金の範囲が明確に示されていないこともトラブルの原因となります。
例えば、壁紙の張り替えが工事代金として記載されていたとしても、張り替えに伴う既存の壁紙の撤去費用に関して、工事業者側が負担するのか、依頼者側が別途負担するのかまで記載がされていないと揉めることになってしまいます。

このように、契約書の内容が曖昧なせいで起こるトラブルというのは後を絶ちません。
こういった契約書の曖昧さを防ぐ方法としては、契約書を作成したら調印する前に一度契約に詳しい専門家、建築士にチェックを入れてもらうことが得策です。

トラブルの原因として、契約内容と違う仕様が施されてしまった、というものもあります。
契約書に記載されている内容と、実際に行われた工事に食い違いが出てしまうというものですが、主に設備機器の交換や新設の際に発生し、あらかじめ指定しておいた設備機器が組み込まれていないというケースが多いようです。
具体的には、最新型の機器を指定しておいたのに旧型のものが設置されてしまったり、機器のメーカー名・型番・色まで指定しておいたにも関わらず、設置されたものが色だけ違ったりする、といったことが起きます。

このように、契約書で事細かに指定していたとしても問題は起こってきますので、防止するためには依頼者自らの目で確かめることも必要となってきます。
工事の邪魔にならない時間帯を選んで工事の現場に実際に赴き、自分の目でチェックするということも、トラブルを防止するためには重要となります。

リノベーションやリフォームの工事では、既存の環境を使っての工事となりますので、工事の進行中に変更や追加工事が行われることも頻繁にあります。
そしてこの変更や追加の工事に関しても、その都度追加の費用を確認、書面化していくことが非常に大切であり、これも怠ると後々トラブルへと発展していきます。
具体的には、工事進行中に工事業者から建材の変更を提案され、その場ではとくに費用に関しての話が出なかったので了解したら、後に別途追加費用が請求されたという例もあります。

また、予定にはない簡単な備え付けの棚の製作を、職人に口頭で依頼したら応じてくれたので、無料かと思ったら後で多額の追加費用が請求された、という事例もあり、事前の契約内容には無い項目の費用負担が原因となることが多いようです。
ですから、工事進行中の変更工事や追加工事には必ず後日費用の負担が追加されるという認識を持っておくことが重要です。
そして変更した項目や追加工事が発生した場合には、そのたびに必ず見積もり書を取得し、調印を行っていくことを心掛ける必要があります。

そしてトラブルの原因として最後にあげるのが欠陥工事です。
欠陥工事がトラブルの元となるのは当たり前の話ですが、注意すべきなのは欠陥工事の起こる箇所というのが外からは見えないところに限られているという点です。
具体的な場所としては屋根裏や天井裏、床下、そして壁の中で、外側から見えない場所ということで不正も行いやすいようです。
その内容は、断熱材や吸音材の設置が正しくされていなかったり、換気の管が設置されていても管を通す穴が埋められていなかったりと様々です。
欠陥工事への対策としては、これも工事の邪魔にならない時間帯を選び現場に実際に赴いて、自分の目でチェックするということが重要となります。

依頼主が頻繁に工事現場を見に来るというのは、不正行為に対しある程度の抑止効果はあると思います。
しかしながら、欠陥工事を防止するためには専門的な知識も必要となってきます。
建材を指定と違うものにされても素人には全く分かりませんので、欠陥工事に対する手段としては、建築士事務所による「監理」の依頼が一番かと思います。
「監理」とは、契約書どおりに工事が正しく行われているかチェックすることです。
依頼人の代理として現場を監督してもらうので、欠陥工事への対策として有効です。

今回はリノベーションやリフォームで起こりがちなトラブルを、パターン別にいくつか挙げてみました。
多くの人が関わってきますので、トラブルの発生源となるポイントを押さえることで、リノベーションの完成度を高めて、自分のイメージに近づけていただけたらと思います。
自分の工夫を凝らした家を実現する「大人の遊び」をぜひ楽しんでください。